オフィスビル、商業施設、ホテルなど、清掃業務の派遣依頼を検討している中で、派遣料金の見積・相場を気にしている人事担当者の方は多いのではないでしょうか?
派遣を利用する決定材料として、派遣料金が一番の判断ポイントになる企業も多いかと思います。
しかしながら、派遣会社の見積を比較しようにも、「見積金額が高いか、安いか判断ができない」「相場感が分からない」といった意見が多くあります。
そこで今回は、採用担当者が気になる、大阪の清掃業務における派遣料金の見積・相場について解説します。派遣会社から最適なコストで、質の高い人材の提供を受ける為にも是非参考にしてみてください。
1. 派遣料金の内訳
はじめに、派遣料金の内訳を解説します。
派遣を利用する際に、企業は派遣会社に派遣料金を支払わなければなりません。
料金体系は派遣会社によって異なりますが、派遣料金の大半は派遣社員の給料であり、全体の約70%を占めます。その他の金額は、派遣会社が負担する派遣社員の社会保険料が10.9%、派遣社員が有給取得する際に派遣会社が負担する有給費用が4.2%となっています。派遣社員に関連する合計費用は85.1%となっています。派遣会社の利益は1.2%程度となります。
(参照:『一般社団法人日本人材派遣協会』)
派遣料金の内訳には、派遣社員の給与の他にマージンがあります。
企業は、「派遣社員の給与」と「マージン」を合わせた金額を支払います。
マージンは、派遣料金から派遣社員の給与を差し引いたものとなります。
マージンの多くは派遣社員の保険料、有給休暇費用、スタッフへの研修費・福利厚生費等を占めています。
派遣会社にはマージン率(派遣料金全体に対する、派遣社員の給与の「差額の割合」)を毎事業年度終了ごとに公開することが義務付けられています。
マージン率は上限・下限の決まりがなく、20%~40%が相場とされています。
2. 大阪の清掃業務派遣の適正相場
派遣会社からの見積が適正価格かどうかを判断する為に、派遣料金の相場を把握しておきましょう。
▼大阪府の清掃派遣の派遣料金の相場額
- 清掃従事者…1,697円/h
派遣料金の相場は自身で算出することができます。
ここでは、大阪府における、清掃業務派遣の適正価格を算出する方法を解説します。
以下の通り①~③の流れで算出を行います。
① 業務別に派遣料金の全国平均を算出
厚生労働省の「令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」をもとに、業務別に派遣料金の平均が調べられます。
清掃従事者の1日あたりの平均派遣料金(8時間換算)は14,141円です。
(参照:厚生労働省令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」)
ここから、派遣料金の全国平均を算出します。以下は清掃従事者の業務で算出しています。
以上の計算式より、清掃従事者における派遣料金の全国平均が1,607円/hであること分かります。(令和4年度時点)
②算出した時給を地域(大阪府)に合わせて補正
次に大阪府における派遣料金を算出します。
①で算出した金額はあくまで全国平均です。会社が所在する都道府県によって金額が前後します。地域に合わせた算出も厚生労働省の資料をもとに計算できます。
厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」によると、最低賃金の全国平均が1,055円、大阪府の最低賃金は1,114円です。
(参照:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」)
ここから、地域別の派遣料金を算出します。以下は清掃従事者の業務で算出しています。
上記の計算式より、大阪府の清掃従事者における派遣料金相場が1,697円/hであること分かります。
③人材派遣会社が提示した見積価格と比較
派遣料金が算出できたら、派遣会社が提示した見積と比較してみましょう。大阪府の派遣料金の相場が分かっているため、人材派遣会社の見積が適正であるかどうかが判断しやすくなります。この情報は派遣会社と派遣料金の交渉を行うときにも役立つ為、派遣会社に見積を依頼する前に確認しておきましょう。
3. 複数社から派遣会社を選ぶポイント
はじめから派遣会社1社だけに見積を依頼するのではなく、複数の派遣会社を比較検討することをお勧めします。見積の金額を比較検討することはもちろんのこと、価格以外のサービスの両面からも派遣会社を比較することも重要です。ここでは派遣会社を選ぶポイントを解説します。
①人材派遣会社の特徴・規模
派遣会社の数は大阪府内でも多く、規模も大小様々ですが、派遣会社を選定する上で大切なのは、自社の要望を汲んで、人材を提案してもらえるかどうかです。
規模の大きい会社は全国に拠点を構えていることから、派遣社員も多く抱えています。
また、規模が小さくても、特定の地域や職種など独自の強みを持っている派遣会社も多くあります。自社のニーズに合った派遣会社を選定しましょう。
②営業担当者の質・提案力
企業と派遣社員のパイプ役となるのが営業担当者です。
自社のニーズを正しく理解した上で、サービスを提案してくれる営業担当者かどうかを見極める必要があります。
また、営業担当者には、派遣開始後もトラブルが発生した際に窓口として対応してもらうこととなります。企業と派遣社員の間に立ち、細かなフォローやクレーム処理の立ち回りを担い、迅速に対応することが求められます。派遣会社とは長期的な付き合いとなるため、営業担当者の質や提案力も重要視するポイントです。
4. まとめ
見積の相場感を採用担当者自身が把握した上で、複数社から算出してもらい、比較検討して選定していきましょう。
また、派遣の利用は、業務効率を大幅に改善し、企業の成長を促進させることが期待できる反面、失敗した際のリスクも高いものです。ミスマッチを防ぐためにも事前の派遣会社と打ち合わせが非常に重要です。派遣会社との付き合いが長期的になるケースもあるので、価格以外の観点からも、ニーズに応えられる派遣会社かどうかを見極めるようにしましょう。
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